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年明けからぽつぽつと見た映画のメモ。 『バッド・ルーテナント 刑事とドラッグとキリスト』(1992) 近年あまり上映の機会がなくパゾリーニの死を描いた作品もついに公開されず、どこかでフェラーラ特集やってくれないかなあと思っていたところ突然のリバイバル上映の報せ。ともあれポスタービジュが素晴らしい……昔ビデオかDVDで見たきりで色々忘れていたが、ハーヴェイ・カイテルが凄まじいことになっていた。緊張と弛緩のせめぎ合いを顔面上でこれほど見事に表現した人はいるだろうか。両極端なものに引き裂かれる主人公の前に立ちはだかるのは宗教、そして舞台はあの頃の汚いニューヨーク、という意味でも、スコセッシとフェラーラをセットで見るのは悪くないと思う。シネマート新宿というまた禍々しい音を出す劇場で見ることができてよかった。音楽含め、フェラーラのB級感覚が好きだなあと再確認。 『チャイナ・ガール』(1987) 未見のフェラーラ作品で、U-NEXTにあったので、軽い気持ちで鑑賞。何の予備知識もなく見始めたら冒頭から歌いこそしないがモロにウエスト・サイド・ストーリーあるいはロミジュリだった。イタリア人街とチャイナタウンが隣り合うマンハッタンのダウンタウンが舞台で、80年代作品だがやたら街中で銃をぶっ放すし血も飛び交うしかなり危険な街として描かれていて、安全になった9.11以後とはいえこの辺をほっつき歩いて呑気にマッサージ店にまで行ってたことを思うとまるで同じ街とは思えない(所詮フィクションだけれども)。NY映画というより香港アクション映画のムードに近いのが逆によくて、ロミジュリ的恋愛も最後は悲痛、1時間半という短さの割に見応えあり、予想以上にたのしめた。 『ジャンヌ・ディエルマン ブリュッセル1080、コメルス河畔通り23番地』(1975) 自宅隣の映画館にて、初アケルマン。もっとウォーホルみたいな実験性高めの映画かと思ったがそうでもなかった。淡々と日々を過ごす几帳面そうな主婦ジャンヌの日常的所作を見ているだけでなぜだかドキドキし(マッチでコンロに火を付ける、各部屋の電気のスイッチをこまめに消すなど)、繰り返される単調な所作に突如綻びが生じるときの描写もよくて、最後はおおおとなり、久々にすごい大作を見た感。昔パリでデルフィーヌ・セイリグの墓を見たこと思い出した(他の有名人に比べて地味だがどこか品のある墓だった) 『その男、凶暴につき』(1989) 最近新文芸坐でちょいちょいたけし映画の上映があったものの激混みなので様子見だったが、そろそろ見たいなと思い。事故前のたけしは若くて動きも機敏で危なさが全身から滲み出ていて、同様に危険で不気味さしかない白竜との無言の即物的対決に痺れる。サティのとぼけたようなアレンジの音楽が印象深いが、逃走犯を車で追うシーンで流れるムーディーなサックスの80sジャズは画面と全く合っていなくて謎だった。あとラストカットも謎すぎる。 『哀れなるものたち』(2023) ヨルゴス・ランティモス苦手かもなあと思いつつ、エマ・ストーンなので見ざるを得ず。評判いいけど、やはりこの監督苦手なのか、そこまで乗れず。ただエマは素晴らしいし、ウィレム・デフォー、ハンナ・シグラ(!)というキャスティングが最高だった。R18なのかあと思いつつ劇場行ったら、明らかに10代前半?いって半ば?くらいの少年が一人、私の横に緊張気味に座っていて、おお反則上等、がんばれ映画少年よ、と勝手に応援。 #
by asa_naka
| 2024-02-14 21:25
| いろいろ
『エドワード・ヤンの恋愛時代』(原題:獨立時代/英題:Confucian Confusion)4Kレストア版を某劇場で鑑賞。 見るのはたしか3度目で、これまでVHS、DVDだったので劇場鑑賞は初。他のヤン作品含め、昨今のレストアの動きには感謝しかない。 おおまかな人物描写や展開はうっすら覚えていたので大きな驚きはないけれども、やはりこの映画は(も)すごいことになっている。 まず、あらためて言葉の洪水に圧倒される。そしてその言葉の数々が、一見言い得て妙に感じられるのだが、たいしたことは言っておらず、時折ものすごく陳腐で薄っぺらかったりもする。会話をしているようで一方通行だったり空回りするのがほとんどで、登場人物たちは怒鳴り合い、叩き合いさえする。わーわーと騒がしくしっちゃかめっちゃかで、まさにConfusionである。 「フリ」のなかに真実がある、と劇中セリフがあるけれども、映画全体が壮大な「フリ」なのである。それこそがヤン監督の狙いであると見受けられる。 出てくる人々は現代人の「フリ」をしているのか、とにかく忙しく動き回り(今ならLINEなどで済むところを直接会いに夜の街を彷徨う)、感情の起伏も激しい。冒頭、胡散臭い演出家が取材に来たマスコミたちの周りをローラースケートですいすいと自由自在とばかりに円環運動を繰り広げるショットがどこか象徴的だ。小道具の使い方がいい。 この滑稽なシーンで幕を開け、恋と友情がしっちゃかめっちゃかに絡まり合ってコメディの様相を呈している(一瞬だがチャップリンまで出てくる)、というかほとんどスクリューボールコメディでもある。 ただアメリカの古き良きそれと様子が異なるのは、台湾という複雑な事情を抱えた国で生きる人の意識が随所に現れるところ。 「これからは大陸と台湾みたいに“一国二制度”だ!」と冗談めかして主張したりする。 長い戒厳令を経て民主化され急成長中の大都市台北で生き馬の目を抜いて生きる登場人物たちは、「感情はお金になる」と息巻いて民主主義(ここでは=資本主義)万歳と振る舞う。これらも「フリ」なのか、本当らしさとの境界線は徐々に危ういものになっていく。 『牯嶺街少年殺人事件』では大部分の画面が暗かったが、本作も一部のシーンで顔が判別しないほど暗い。 和解するモーリーとチチを、早朝の高層ビルオフィスの窓を背景に映すシーンでは、物語とは裏腹に不穏なシルエットで二人を映す。 恋人同士や不倫関係、友人関係などさまざまな2人組の会話が劇中の大部分を占めており、車中やエレベーターなど密室も多い。ほとんど群像劇で誰が誰だか判別しない『牯嶺街』に比べてより人物にフォーカスしている。 にもかかわらず、この暗さ。たんに逆光だったのか?と思うくらい、終盤のモーリーとチチのシルエットのシーンは謎めいていて、しかしやはり今回も魅力的であった。 #
by asa_naka
| 2023-10-08 01:36
| 監督でみる
日曜夜、山形から仙台着。 降り立った瞬間、昔の18切符の旅で途中下車したことを思い出す。色々変わってるのだろうけど何も変わっていない印象。 宿に向かう途中、あ、ここはと気づく。 普通の安ホテルにチェックイン後、夜メシを求めてぶらつくも全然ピンと来ない。 直前にGを駆使してあたりをつけた所は休みだった。 あまりに疲れ果てていたのでもうここでいいやと入った居酒屋が鹿児島系の焼き鳥屋だった…… カウンター横のギャル2人組の女子トークが下ネタ全開でえげつなくて時々笑いそうに。 純度高めな地元の人しかいないこういう普通の居酒屋に行くのは逆に正解だったのかもしれない、とそれなりに満足して早々に宿へ帰った。 翌日、午前中だけ街を散策しようと歩いてみたが、とにかく暑い。 東京よりはましなはずなのに、ずっと歩いていられず2度もドトール的な所へ駆け込む。 特に行きたい所がなく、まあ朝市には寄って海鮮でも食すかあと軽い気持ちで行ってみたものの、予想よりしょぼくて何も食べず(というかホテルの朝食をがっつり食べたためまだお腹が空かない問題)。 ちょうど高校野球の準決勝が行われていて、場内ずっと大音量でラジオが流れていた。皆心ここにあらずな印象。 結局、宿の近くで見つけた、何となく入りやすそうな寿司屋へ。 11時半くらいに入店すると客ゼロで、ここでも大将がテレビで高校野球をじっと見ていた。 途中、尾美としのり似の明るい調子の常連さんが入ってきてひとしきり商店街イベントの反省会やっていたのだが、仙台育英勝利の瞬間は盛り上がって大将夫妻になぜかガッツポーズさせて記念撮影、テレビ画面も撮影。きっといい瞬間に居合わせたのだと思う。 寿司は正直ネタの種類が少なくちょっとがっかりだったが値段を考えると仕方なし、色んな意味で大満足。 #
by asa_naka
| 2023-09-04 23:40
| 旅
陸羽東線というローカル線に乗ったのだが、この路線が今回の旅のベスト路線だった。山を走る鉄道は大体よい。 山形の手前の大石田という街が蕎麦で有名らしく、途中下車して蕎麦を食べることにした。 人けのない駅を降りてカンカン照りの中、誰もいない静かな道を10分ちょい歩いて蕎麦屋着。 40分から1時間ほど待ちますけどいいですかと言われ、席は空いているのにそんなに待つのかと驚いたが、席にはすぐ着くことができ、蕎麦が出てくるまで40分ほど待った。並んだわけではないしお腹もそこまで空いていたわけではなかったので、待つのは苦ではなかった。 名物の板そばと、気になって自家製いわし煮というものを注文。お酒を頼んでいないのにお通し的なものが来た。長野の蕎麦屋でもあったけど、こういうのはいいな。 蕎麦は山形ならではの太麺で短め、食べ応えたっぷりで、いわし煮も含めてすべて美味しかった。 食べ終えてまた酷暑の中駅へ戻るという苦行。途中、図書館が併設されているような町の施設に入り、トイレ借りがてら涼む。少し歩くだけでもきつい暑さ。 大石田から山形駅へ。 この日仙台に宿をとっていたためあまり時間がない上に、とにかく珈琲が飲みたくて、Gマップで適当にあたりをつけて入った喫茶店がジャズ喫茶だった。 しかも外に丸聴こえの超大音量でレコードをかけており、それがウェイン・ショーター参加のマッコイ・タイナーのカルテットだかクインテットだかのアルバムで、えらいカッコよくてここは当たりだ!と一人テンション爆上がり。 このまま長居してしまおうかと一瞬思ったが、その後すぐレコード変えられナベサダのオーケストラセッションになった(好みではなかった)ので徐々に落ち着きを取り戻したのだった。 しかしすごい音だったな。また行きたい。 #
by asa_naka
| 2023-08-30 23:37
| 旅
20年ぶりくらいだろうか、月曜が夏休みになったので急遽二泊三日青春18切符の旅へ。たしか出発3日前に決め前日に宿をとったような… 暑いので東北方面へ行くことにした。 まずはこけしと温泉の街・鳴子を目指してひたすら各駅停車を乗り継ぐ。 合間に弁当をかき込みトイレにも駆け込み、座り続けてお尻が悲鳴を上げはじめた頃に無事到着。 降り立った瞬間、というより正確にはその一駅前くらいから硫黄の匂いが立ちこめていて(最初誰かが車内でおならをしたのかと勘違いした)とにかく街じゅう強烈な硫黄の匂い。 宿は静かで最後まで他の宿泊客を見かけず、いくつかある風呂も貸切状態で最高だった。 素泊まり食事なしなのが難点で、人けのない寂れた街に唯一灯りの点っていた居酒屋に入るとそこもまさかの客ゼロ。 女将が笑いながら「あと30分待って誰も来なかったら店閉めようと思ってたのよ! よかった、飲も飲もー」と温かく(?)迎えてくださり、結局遅い時間までディープな女子トークをしてしまった。これぞ旅の醍醐味ともいえる。 最初「今日はもう誰もお客さん来ないから一杯ご馳走するよ」とさらりと言われ、いやいやさすがに逆でしょうと丁重にお断りをした。 女将が飼っているボスという名の犬がのさのさとしていて何とも愛らしく(何より名前がいい)、ゴンタという猫も途中登場、癒された。 つまみはやっぱり牛タンかなと頼んだところ、まるでステーキのような厚さと柔らかさで牛タンの概念を覆された。 女将曰く、仙台の牛タンは硬いのも混じってるけどうちのは山形産で柔らかい所しか使ってない、と。レモン汁などは不用で味つけは塩胡椒のみ。 あとサービスでなぜかキムチ豆腐もいただいた。 温泉にも入りたいからそろそろ、と会計を済ませたところで「もう一杯飲もうよ!」と誘われ結局ビールをご馳走になる……最高の店だった。 紅葉が見頃の秋は山菜も美味しいからおすすめとのことで、また行きたくなる。 #
by asa_naka
| 2023-08-29 23:28
| 旅
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